「WWDJAPAN」12月25日号の付録「WWDBEAUTY」とニュースサイト「WWDJAPAN.com」では、「2023年下半期ベストコスメ」を発表している。2023年下半期は、百貨店・セミセルフやバラエティーショップ・ドラッグストア、ECポータルサイト38店舗の協力を得て5〜10月に売れた商品をリサーチし、新商品(ニュープロダクト)と総合(ヒーロープロダクト※新商品も含む)を表彰。14カテゴリーのトップ3が出そろった。
「ECでヒット」から店頭販売を始めるケースも
今期は「アットコスメ(@COSME)」「アマゾン(AMAZON)」「ゾゾコスメ(ZOZOCOSME)」「デパコ(DEPACO)」「Yahoo!ショッピング」の協力のもとECチャネルの売り上げランキングを発表した。バラエティーショップのバイヤーからは「ECでヒットした商品が店頭販売開始し、売り上げを伸ばしている」という声が聞かれるように、ECでの売れ行きがリアル店舗の陳列にも影響する。また、SNSで話題になった瞬間に売り上げに反映されるタイムリーさもECチャネルの特徴だ。ここでは、今期のECチャネルの傾向を振り返る。
「スナイデル ビューティ」が「ゾゾ」で躍進
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ファッションブランド「スナイデル(SNIDEL)」から生まれたコスメブランド「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」が売り上げを伸ばした。新商品アイメイク部門の1位に輝いた“フェイス スタイリスト”(新2色、各6380円)は、特にファッション通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」のビューティ専門モールである「ゾゾコスメ」で好調だった。木暮彩子・ZOZO カテゴリ推進部コスメブロック ブロック長は「アイシャドウパレットは発売前からSNSで話題に。2022年記録的にヒットした限定カラー“01 Iconic Beige”が待望の定番化ということで、急速に売れた」と話した。
「リファ」は高価格帯でも全チャネルで強い
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今期のべ15アイテムが入賞し、ブランド別入賞数で1位となった「リファ(REFA)」は、美容機器・ツール部門だけでなくヘアケアアイテムなど周辺アイテムも高評価を得た。“ストレートアイロン プロ”はECと百貨店・セミセルフの両方で、パッケージを刷新した“ロックオイル”はECとバラエティー・ドラッグストアの両方で首位を獲得し、チャネルを横断した人気商品をそろえる。
「ナーズ」“リフ粉”はECチャネルで常に上位
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“リフ粉”の愛称で親しまれる「ナーズ(NARS)」“ライトリフレクティングセッティングパウダー プレスト N”は、ECチャネルのランキングで常に上位に入賞する。「レギュラーサイズ、ミニサイズともに常に売れ続けている“リフ粉”。とにかく人気が高くリピーターが多い印象」(時井統子・大丸松坂屋百貨店 MDコンテンツ開発第2部 ビューティ&ウェルネス DEPACO担当バイヤー)とコメントがあるように、店頭に行かずとも買い続けるリピーターの存在が売り上げを支える。
「コスメデコルテ」「ケイト」「ファンケル」根強いベストセラー
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百貨店やドラッグストアでも例年ランクインするベストセラーアイテムはECでも好調だ。大谷翔平を起用した広告で話題を呼んだ「コスメデコルテ(DECORTE)」“リポソーム アドバンスト”シリーズをはじめ、高発色で落ちにくいと好評の「ケイト(KATE)」“リップモンスター”、「ファンケル(FANCL)」“マイルドクレンジングオイル”などの入賞が続く。バイヤーからは高い効果実感に信頼を寄せるコメントが多かった。さまざまな傾向が横断して見られるECチャネルでの来期の動向にも期待したい。